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Channel: スポーツナビ+ タグ:ポルト
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カシージャスはポルトへ

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ひとつの時代の終わりである。マドリーに25年在籍した第一カピタン、カシージャスのポルトへの移籍が公式に発表された。カシージャスはポルトと2年契約を結ぶこととなる。マドリーとの契約で受け取る予定だった年俸合計2400万ユーロの取り扱いで交渉は難航していたが、最終的にはカシージャスが850万ユーロほどを放棄し、残額1550万ユーロをポルトとマドリーが分担して支払うこととなったと報じられている。できればうまく世代交代しながら第2GKとなり、若いプレーヤーを導く役割を担って欲しかった。マドリーというクラブ、ここで求められるものがどういうレベルであるかを若い世代に伝えられるのは、ごく限られたプレーヤーだけだ。そして彼にはそうしたことができるキャリアがあった。衰えたとはいえ、能力的には未だ十分なレベルにあり、プレーヤーとしてももう一花咲かせられる状態だったのに、そうした形で貢献する形を作れなかったことが残念でならない。しかし、この移籍はやむを得ないものであった。モウリーニョ期以降、彼をどう扱うかは常に議論の的となり、先発すれば僅かなミスも大げさに叩かれ、ベンチにいれば一挙手一投足、その表情までもが、ふさわしいふさわしくないと取り上げられた。ベンチでの様子をこれほどまでにカメラに抜かれることは異常なことだ。ベルナベウでさえブーイングされるような環境では、カシージャスも、彼の代わりにピッチに入るGKも、落ち着いてプレーすることはできない。緩やかに世代交代できないのならば、きっぱりと別れて別の道を進んだ方がお互いのためだろう。この移籍で、カシージャスは落ち着いてプレーに集中できる場所を得ることができ、マドリーは世代交代を進めることができる。移籍によって、ようやく両者に平穏が訪れるのだ。カシージャスのいないマドリーを想像することは難しい。いつかこの時が来るとはわかっていても、彼が移籍する現実感が湧くのはまだ先になるだろう。様々な思惑が働いた結果としてこうした結末を迎えることとなったが、今はこれがマドリーとカシージャスの双方にとって最善のものになると信じて、大きな感謝とともにカピタンを送り出したい。これからは、しがらみなくプレーを楽しんでほしい。

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